西洋美術においてはキリスト教との結びつきを切り離すことは、困難であるなどと専門家たちが語るほどに、西洋美術は長い歴史のなかでキリスト教の強い影響を受け続けてきたようです。キリスト教と西洋美つのつながりは、当時、文字を読めない人びとにもキリスト教の信仰を伝えたいというよう目論見があったようなのです。また「悪徳」や「美徳」を絵画作品などに描き出すことによって、人間が簡単に陥りやすい悪徳を提示しながら信仰を深めるような意識を芽生えさせることで人びとの信仰心を煽っていたようでもあります。西洋美術は、長い歴史のなかで美術品としての役割のほかに、キリスト教の教えを伝えるメディアとしての役割を与えられていたようです。