“現代人のファッションを眺めていますと、日本の古典的な文化を表す、「着物」の装飾デザインとは大きく異なる装いがあります。現代的なファッションとしては、シンプルでモダンであることが流行となり、ハイファッションとされる風潮が見受けられます。着物に描かれている古典的な日本の文様は、芸術的な造形でもあり、その紋様のデザインに込められた人々の想いなどが、その1つひとつに込められているようです。皆さんは、美術館などで額縁に入った絵画を眺める時に、描かれた風景や人物画からどのような事柄を読み取るでしょうか。ファッションやインテリアなどの造形物に表現されているザインには、人々の様々な思いが込められているようです。縄文時代、土器などに刻まれる文様は、現代にも通じるデザインの起源などともされているようです。縄文時代の土器には、独特な模様が刻まれておりますが、あらゆるものに「模様」を描くためには、1つの物体からはそう創造できないと言われております。2つの相反する物事が組み合わさり交わることで、独特な造形が、そこに生まれると考えられているようです。確かに文字を描く際にも、鉛筆だけでは描くことができず、そこには何かしらの鉛筆が描く対象物が必要となってきます。デザインとは単体の存在では、作り出すことができず、複雑に絡み合うお互いの相互関係から生み出されるものであるようです。
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